Liner Notes
(全曲解説)
4th Album 『Afterglow』
SONOMI 全曲解説
アルバムという形で作品をまとめるのは、実に久しぶりのことでした。
気づけば20年。たくさんの人と出会い、別れ、紡いできた音楽の時間が確かにあって、それらが今の自分をかたち作ってくれていることに、ようやく向き合えるようになったのかもしれません。
旧知の仲の熊井吾郎とHIRORON、アートワークはよく現場が一緒になることが多かったHip Hop Creater集団「Beshop Arcade」の面々が担当してくれていて、まさか出会いから十数年後にこうやって私の作品に携わってくれることになるとは不思議なご縁です。
音楽がもたらしてくれた出会いにより私の大切な作品が生まれました。
この全曲解説では、それぞれの楽曲にまつわるエピソードや制作の裏側、そして小さなこだわりも含めて、できる限り丁寧に言葉を添えてみました。
これを読んでから聴いても、聴いてから読んでも、より深く楽しんでもらえたらとっても嬉しいです。


1. 長く長く愛されたい
(Words & Melody by SONOMI/Track by 熊井吾郎)
音楽キャリアのスタート地点であるDJならではの視点でレコードを擬人化し、真新しいものに飛びつく性分のDJやコレクターとの関係性を恋愛さながらに描写していく。
とにかく機材の進化が著しい昨今。
デジタルが主流の中でもわざわざ何十キロもあるレコードをカートに載せて運び、パソコンの中に所持した方が何かと便利なのに家のスペースの大部分を占領するのにも関わらず、レコードという”モノ’’にこだわり買い続ける。全てが”わざわざ”なのです。
所持する理由は人それぞれですが私としては”モノとして所持するということ=曲に対する愛情”だと思っています。
そんな持ち主とレコードの愛の物語。
当時のマネージャーに何も言わずに聞かせたら”不倫を助長させる歌詞だからちょっと...”と言われました。
騙されてくれてありがとうございます。笑
ちなみにレコードに関する曲は他にDJ TATSUTAさんプロデュースで『ちょっとだけ』という曲があります。
DJの彼氏を持つ彼女の苦悩の曲です。笑
サブスクにあるので良かったら聞いてみてください。
2. イケナイ
(Words & Melody by SONOMI/Track by 熊井吾郎)
パンドラの箱も玉手箱もダメと言われたからこそ開けてしまったみたいに、ダメと言われるとやりたくなってしまう心理現象(カリギュラ効果)についてダメと言うのではなく、そうなった原因を取り除いてあげるのが愛なのでは?と言葉遊びのような耳に残るキャッチーなフックで歌うつい一緒に口ずさんで踊りたくなるような一曲。
別のライナーで ”2度変化を遂げた”と書きましたが、掘り起こしてみた所、3度変化を遂げていたことが発覚。
もちろん、すべて熊井吾郎。
JungleやDubを取り入れたバージョン、ノリが大きめの4ビート基軸のHip Hopビートにスペーシーなシンセが印象的なバージョン、そして今回のNew Jack Swing バージョンになったのだが、実はもっと派手でOld SchoolなNew Jack Swingバージョンも存在していた。
3度変化を遂げ満を持してのリリースとなった。
今聞いてもどのバージョンも本当にカッコイイので、できればRemix集としてリリースしたいくらいです。
3. 予感
(Words & Melody by SONOMI/Track by 熊井吾郎)
「好きなものは好き、嫌いなものは嫌い」
と冒頭でいきなり気の強そうなフレーズを入れてしまいましたが、東京で暮らし早25年、人生も折り返し付近、そろそろ自分の事がわかってきた上で自由に主張していきたいな、そんな心境の変化もありました。
まだまだワクワクドキドキしたい思いがそうさせたのか、気に入っているリリックがたくさん産まれた曲にもなりました。
「だからまだ探し 探すモノを探し 一握りしかない ファンタスティックを待つ」
スマホ片手に闊歩する刹那な現代人を揶揄しつつも、いつ訪れるかわからない特別な出会いの瞬間を常々追い求める、夢多き私たちのための疾走感に溢れる一曲。
完成した後、ウォーキングしながら聞いていたらBPMがちょうどいい!
頑張りたいときのお供にしてもらえたら嬉しいです。
4. Dawn Will Soon Come
(Words & Melody by SONOMI/Track by 熊井吾郎/Special speech by TKYM from METROCKRIDE at Club bar Family, 6/24/2023)
熊井吾郎とSONOMIのサウンド共同プロデュース曲。
曲全体のコードはSONOMI、それ以外は熊井吾郎。
二人が上京し最も多くパフォーマンスした渋谷のClub Bar Familyの深夜の最もディープな時間をイメージしながら描いた歌詞はクラブで遊んでいる(遊んでいた)皆さんなら共感必至。
往年のSoulを彷彿させるようなエレピのコードやビートが展開していく摩訶不思議感を堪能してもらいたいです。
2023年6月24日に開催された「METROCKRIDE」に呼んでいただき、一緒にゲスト出演されていたDJ大自然さんとMASSANと、Familyの店長TKYMさんにロッカー前に呼び出されて乾杯したときの動画をiPhoneに収めていて、その音声を曲の最後に収録させていただきました。
このアルバム唯一の私以外の生身の人間の声、特別出演の愛すべきTKYMさんの声と現場の空気感もお楽しみください。
5. どうしても
(Words & Melody by SONOMI/Track by 熊井吾郎)
過去の実体験を元に書いたこの曲。あの時は誤解を解くことに必死で何も手につかないほど疲弊してしまっていた。
【真実と異なる噂というものは瞬く間に拡散されていくけれど、人の噂も七十五日。
全ての人の誤解を解くことは「どうしても」不可能であることにフォーカスしすぎることなく、事実を理解してくれている人達と過ごす時間を大切にしようという前向きなメッセージをキャッチーなフレーズとメロディーに乗せ軽快に歌っていく。
熊井吾郎の重厚なビートを核に、シンプルイズベストを立証するかのごとく心に刻まれていくようなホーンセクションとメッセージが見事にグルーヴを遂げる。】
(配信シングルリリース時のセルフライナーより)
おそらくこの曲がこのアルバムの中で一番最初に出来た曲。
当初はBPM180の世界観でのJiveやJazz、ブレイクビーツ調のトラックでライブでかなり歌っていたのですが、時を経てリリースすることになり熊井吾郎によりリアレンジされBPM90のこの世界観のサウンドとして産まれ変わった。
前のバージョンもキャッチーでキュートさがあって大好きだったので、REMIXとしてリリースしたい一曲。
6. カーテンを閉めたら
(Words & Melody by SONOMI/Track by SONOMI)
以前の所属事務所のアーティストが一堂に介したV.Aに収録されている『Round Midnight』の続編。
『Round Midnight』での「もう一度手を繋げたなら」と『カーテンを閉めたら』のラストサビの「手を繋ぎ踊っている」でハッとしていただきたい。笑
そして裏テーマもあり、ライブに来てくれた皆さんに向けて愛しい感情を同時に表現してみました。
両方のテーマ毎に二つの解釈がある曲です。
せっかくなのでトラックに関して少し書くと、DAWはPro Tools、機材はMac、NI Maschine Mikro MK3、音源はサンプル音源も使いつつ手弾きメインで、2番のBメロとアウトロのオルガンは約50テイク弾いてやっと産み出した苦労も一応書き残しておきます。
コーラスワークもこだわっていて、1サビ、2サビ、3サビとどんどんコーラスが増えて豪華になっていく過程も楽しんでいただけたら嬉しいです。
レコーディングエンジニアのHIRORONがアイディアをくれて、当初後半の落ちサビのところは歌をダブル(同じ歌のパートを2本重ねること)にしていたのですが、”1本の方がグッとくるんじゃない?”と。他にも”繋がろう”の部分にディレイを飛ばしてくれたり、この曲以外でもたくさんのアイディアをくれていつも親身に一緒に作り上げてくれるので感謝しています。
7. Hello, Good Bye
(Words & Melody by SONOMI/Track by 熊井吾郎)
1バース目は青森の実家に帰省した時、生前の父に言う’’Hello’’と’’Good Bye’’、
2バース目は亡くなった後に仏壇に手を合わせながら想う’’Hello’’と’’Good Bye’’。
後半のコーラスは人間の生と死は自然と共鳴しているんだなと、あの時五感で鮮明に感じた空気感、温度感、変化し続ける色のグラデーションそのものを表現しました。
制作当初はその後半部分のトラックの展開は無くて、全体的にそれなりにいい曲ができたなぁと思いながらも何か足りないな..と悩んでいて。
そんな時に着地に導いたのは熊井吾郎が聞かせてくれた新しいアレンジのアウトロの出現だった。
私の琴線に触れまくったことで、ただのアウトロでは終わらせたくなくなって、ブリッジが生まれ、アウトロのコーラスが生まれ、その流れでバースのトップライン(メロディ)が変わり、結果的にサビのトップラインも変わっていったと記憶している。
曲と同じでまさにドラマティックな展開。
父は未だに私というフィルターを通して色々な場面で会いに来てくれる。
8. 説明できない
(Words & Melody by SONOMI/Track by SONOMI)
この曲だけ2022年に先行の先行で配信リリースをしていました。
その時のライナーが一番リアルなので掲載します。
【やっとやっとやっとの新曲です。なんと自分名義だと9年ぶり。
その間フィーチャリングで呼んでくれたアーティストの皆さん、ライブブッキングしてくれたイベンターの皆さん、大切に聴き続けて下さったリスナーの皆さん、私に音楽の機会を与えてくれて本当に感謝しています。
久しぶりともなるとリリースする事自体が怖いものですが、コロナ禍において色々な事が180°変わっていく中で、
”今を生きる”といつも父が言っていた言葉が私の中で大きな意味を持つものとなっていました。
せっかく書いた曲、ちゃんと発信しないとね。
待ってくれている人がいる。こんなにありがたい事はありません。
まずは1曲。大切に大切に温めていた曲です。
緊急事態宣言下で夫と毎日のようにベランダから夕日をみていました。
時には車を走らせて海まで夕日を拝みに行きました。
この先どうなるんだろうって不安があったからこそ、美しい景色を大切な人と見ることができるってなんて幸せなんだろう。ってなんかグッと来るものがあって。
この気持ちを忘れたくないな、忘れちゃいけないなって思って書いた曲です。
是非大切な人とまたは大切な人を想って、夕日の下で”綺麗だね”って思いながら聞いてください。】
この曲もセルフプロデュースでトラックも作っています。
この時期日課だった17時半前後にどちらかが”空が綺麗だよ〜”と言い出すと一旦手を止め、ベランダで夕日を眺める束の間の時間を楽しんでいた。本当に唯一の楽しみだった。
ある日、夕日を眺めながらなんだか感情が昂って、この時の気持ちを曲にしたくなり、ドドドっとインスピレーションが沸いて無我夢中でパソコンに向かいトラックを作り始めた記憶。
9. With or Without You
(Words & Melody by SONOMI/Track by 熊井吾郎)
この先もあなたと一緒に居られるように、あなたと見たことの無い美しい風景を一緒に見られるように、今よりも強い自分に成長できるように。
「経験は時に足を引っぱる」
長く続けていると誰しもがぶつかる問題だと思うけれど、どんな時でも味方で居てくれる人がいてくれるおかげで強い自分にもなれた。
でも居なくても強い自分でありたい。
20年を振り返りながら次なる目標も込めてアルバムの最後に収録しました。
熊井吾郎の飛び抜けたドラムセンス、スタイリッシュさ、”泣き”の感覚や全体のタイトさといい彼の真骨頂を発揮しているトラックに一聴き惚れをしたのを思い出しました。
もう本当に!!私の音楽人生に関わってくれて今もこうして読んでくれているみんな、ありがとう!!!!!
▼Streaming & DL
4th Album 『Afterglow』
All Recording, Mixing & Mastering by HIRORON (ATENE STUDIO)
Art Direction & Design : Yohei Torii (Bishop Arcade)
Photography : Shota Miyoshi (Bishop Arcade)
Camera Commissioner : Ryo Takahash i(Bishop Arcade)
Styling : Meiko Kojima
Hair & Makeup : Ai Yuki
Distribute & Support : Koichi Sato (Trigger Records)
A&R : Ryoichi Awakura (TAP Co., Ltd.)
Assistant : u & Kaori
▼CD盤(デジパック、歌詞カード入り)はこちらから

Liner Notes
(全曲解説)
4th Album 『Afterglow』
SONOMI 全曲解説
アルバムという形で作品をまとめるのは、実に久しぶりのことでした。
気づけば20年。たくさんの人と出会い、別れ、紡いできた音楽の時間が確かにあって、それらが今の自分をかたち作ってくれていることに、ようやく向き合えるようになったのかもしれません。
旧知の仲の熊井吾郎とHIRORON、アートワークはよく現場が一緒になることが多かったHip Hop Creater集団「Beshop Arcade」の面々が担当してくれていて、まさか出会いから十数年後にこうやって私の作品に携わってくれることになるとは不思議なご縁です。
音楽がもたらしてくれた出会いにより私の大切な作品が生まれました。
この全曲解説では、それぞれの楽曲にまつわるエピソードや制作の裏側、そして小さなこだわりも含めて、できる限り丁寧に言葉を添えてみました。
これを読んでから聴いても、聴いてから読んでも、より深く楽しんでもらえたらとっても嬉しいです。


1. 長く長く愛されたい
(Words & Melody by SONOMI/Track by 熊井吾郎)
音楽キャリアのスタート地点であるDJならではの視点でレコードを擬人化し、真新しいものに飛びつく性分のDJやコレクターとの関係性を恋愛さながらに描写していく。
とにかく機材の進化が著しい昨今。
デジタルが主流の中でもわざわざ何十キロもあるレコードをカートに載せて運び、パソコンの中に所持した方が何かと便利なのに家のスペースの大部分を占領するのにも関わらず、レコードという”モノ’’にこだわり買い続ける。全てが”わざわざ”なのです。
所持する理由は人それぞれですが私としては”モノとして所持するということ=曲に対する愛情”だと思っています。
そんな持ち主とレコードの愛の物語。
当時のマネージャーに何も言わずに聞かせたら”不倫を助長させる歌詞だからちょっと...”と言われました。
騙されてくれてありがとうございます。笑
ちなみにレコードに関する曲は他にDJ TATSUTAさんプロデュースで『ちょっとだけ』という曲があります。
DJの彼氏を持つ彼女の苦悩の曲です。笑
サブスクにあるので良かったら聞いてみてください。
2. イケナイ
(Words & Melody by SONOMI/Track by 熊井吾郎)
パンドラの箱も玉手箱もダメと言われたからこそ開けてしまったみたいに、ダメと言われるとやりたくなってしまう心理現象(カリギュラ効果)についてダメと言うのではなく、そうなった原因を取り除いてあげるのが愛なのでは?と言葉遊びのような耳に残るキャッチーなフックで歌うつい一緒に口ずさんで踊りたくなるような一曲。
別のライナーで ”2度変化を遂げた”と書きましたが、掘り起こしてみた所、3度変化を遂げていたことが発覚。
もちろん、すべて熊井吾郎。
JungleやDubを取り入れたバージョン、ノリが大きめの4ビート基軸のHip Hopビートにスペーシーなシンセが印象的なバージョン、そして今回のNew Jack Swing バージョンになったのだが、実はもっと派手でOld SchoolなNew Jack Swingバージョンも存在していた。
3度変化を遂げ満を持してのリリースとなった。
今聞いてもどのバージョンも本当にカッコイイので、できればRemix集としてリリースしたいくらいです。
3. 予感
(Words & Melody by SONOMI/Track by 熊井吾郎)
「好きなものは好き、嫌いなものは嫌い」
と冒頭でいきなり気の強そうなフレーズを入れてしまいましたが、東京で暮らし早25年、人生も折り返し付近、そろそろ自分の事がわかってきた上で自由に主張していきたいな、そんな心境の変化もありました。
まだまだワクワクドキドキしたい思いがそうさせたのか、気に入っているリリックがたくさん産まれた曲にもなりました。
「だからまだ探し 探すモノを探し 一握りしかない ファンタスティックを待つ」
スマホ片手に闊歩する刹那な現代人を揶揄しつつも、いつ訪れるかわからない特別な出会いの瞬間を常々追い求める、夢多き私たちのための疾走感に溢れる一曲。
完成した後、ウォーキングしながら聞いていたらBPMがちょうどいい!
頑張りたいときのお供にしてもらえたら嬉しいです。
4. Dawn Will Soon Come
(Words & Melody by SONOMI/Track by 熊井吾郎
Special speech by TKYM
from METROCKRIDE at Club bar Family, 6/24/2023)
熊井吾郎とSONOMIのサウンド共同プロデュース曲。
曲全体のコードはSONOMI、それ以外は熊井吾郎。
二人が上京し最も多くパフォーマンスした渋谷のClub Bar Familyの深夜の最もディープな時間をイメージしながら描いた歌詞はクラブで遊んでいる(遊んでいた)皆さんなら共感必至。
往年のSoulを彷彿させるようなエレピのコードやビートが展開していく摩訶不思議感を堪能してもらいたいです。
2023年6月24日に開催された「METROCKRIDE」に呼んでいただき、一緒にゲスト出演されていたDJ大自然さんとMASSANと、Familyの店長TKYMさんにロッカー前に呼び出されて乾杯したときの動画をiPhoneに収めていて、その音声を曲の最後に収録させていただきました。
このアルバム唯一の私以外の生身の人間の声、特別出演の愛すべきTKYMさんの声と現場の空気感もお楽しみください。
5. どうしても
(Words & Melody by SONOMI/Track by 熊井吾郎)
過去の実体験を元に書いたこの曲。あの時は誤解を解くことに必死で何も手につかないほど疲弊してしまっていた。
【真実と異なる噂というものは瞬く間に拡散されていくけれど、人の噂も七十五日。
全ての人の誤解を解くことは「どうしても」不可能であることにフォーカスしすぎることなく、事実を理解してくれている人達と過ごす時間を大切にしようという前向きなメッセージをキャッチーなフレーズとメロディーに乗せ軽快に歌っていく。
熊井吾郎の重厚なビートを核に、シンプルイズベストを立証するかのごとく心に刻まれていくようなホーンセクションとメッセージが見事にグルーヴを遂げる。】
(配信シングルリリース時のセルフライナーより)
おそらくこの曲がこのアルバムの中で一番最初に出来た曲。
当初はBPM180の世界観でのJiveやJazz、ブレイクビーツ調のトラックでライブでかなり歌っていたのですが、時を経てリリースすることになり熊井吾郎によりリアレンジされBPM90のこの世界観のサウンドとして産まれ変わった。
前のバージョンもキャッチーでキュートさがあって大好きだったので、REMIXとしてリリースしたい一曲。
6. カーテンを閉めたら
(Words & Melody by SONOMI/Track by SONOMI)
以前の所属事務所のアーティストが一堂に介したV.Aに収録されている『Round Midnight』の続編。
『Round Midnight』での「もう一度手を繋げたなら」と『カーテンを閉めたら』のラストサビの「手を繋ぎ踊っている」でハッとしていただきたい。笑
そして裏テーマもあり、ライブに来てくれた皆さんに向けて愛しい感情を同時に表現してみました。
両方のテーマ毎に二つの解釈がある曲です。
せっかくなのでトラックに関して少し書くと、DAWはPro Tools、機材はMac、NI Maschine Mikro MK3、音源はサンプル音源も使いつつ手弾きメインで、2番のBメロとアウトロのオルガンは約50テイク弾いてやっと産み出した苦労も一応書き残しておきます。
コーラスワークもこだわっていて、1サビ、2サビ、3サビとどんどんコーラスが増えて豪華になっていく過程も楽しんでいただけたら嬉しいです。
レコーディングエンジニアのHIRORONがアイディアをくれて、当初後半の落ちサビのところは歌をダブル(同じ歌のパートを2本重ねること)にしていたのですが、”1本の方がグッとくるんじゃない?”と。他にも”繋がろう”の部分にディレイを飛ばしてくれたり、この曲以外でもたくさんのアイディアをくれていつも親身に一緒に作り上げてくれるので感謝しています。
7. Hello, Good Bye
(Words & Melody by SONOMI/Track by 熊井吾郎)
1バース目は青森の実家に帰省した時、生前の父に言う’’Hello’’と’’Good Bye’’、
2バース目は亡くなった後に仏壇に手を合わせながら想う’’Hello’’と’’Good Bye’’。
後半のコーラスは人間の生と死は自然と共鳴しているんだなと、あの時五感で鮮明に感じた空気感、温度感、変化し続ける色のグラデーションそのものを表現しました。
制作当初はその後半部分のトラックの展開は無くて、全体的にそれなりにいい曲ができたなぁと思いながらも何か足りないな..と悩んでいて。
そんな時に着地に導いたのは熊井吾郎が聞かせてくれた新しいアレンジのアウトロの出現だった。
私の琴線に触れまくったことで、ただのアウトロでは終わらせたくなくなって、ブリッジが生まれ、アウトロのコーラスが生まれ、その流れでバースのトップライン(メロディ)が変わり、結果的にサビのトップラインも変わっていったと記憶している。
曲と同じでまさにドラマティックな展開。
父は未だに私というフィルターを通して色々な場面で会いに来てくれる。
8. 説明できない
(Words & Melody by SONOMI/Track by SONOMI)
この曲だけ2022年に先行の先行で配信リリースをしていました。
その時のライナーが一番リアルなので掲載します。
【やっとやっとやっとの新曲です。なんと自分名義だと9年ぶり。
その間フィーチャリングで呼んでくれたアーティストの皆さん、ライブブッキングしてくれたイベンターの皆さん、大切に聴き続けて下さったリスナーの皆さん、私に音楽の機会を与えてくれて本当に感謝しています。
久しぶりともなるとリリースする事自体が怖いものですが、コロナ禍において色々な事が180°変わっていく中で、
”今を生きる”といつも父が言っていた言葉が私の中で大きな意味を持つものとなっていました。
せっかく書いた曲、ちゃんと発信しないとね。
待ってくれている人がいる。こんなにありがたい事はありません。
まずは1曲。大切に大切に温めていた曲です。
緊急事態宣言下で夫と毎日のようにベランダから夕日をみていました。
時には車を走らせて海まで夕日を拝みに行きました。
この先どうなるんだろうって不安があったからこそ、美しい景色を大切な人と見ることができるってなんて幸せなんだろう。ってなんかグッと来るものがあって。
この気持ちを忘れたくないな、忘れちゃいけないなって思って書いた曲です。
是非大切な人とまたは大切な人を想って、夕日の下で”綺麗だね”って思いながら聞いてください。】
この曲もセルフプロデュースでトラックも作っています。
この時期日課だった17時半前後にどちらかが”空が綺麗だよ〜”と言い出すと一旦手を止め、ベランダで夕日を眺める束の間の時間を楽しんでいた。本当に唯一の楽しみだった。
ある日、夕日を眺めながらなんだか感情が昂って、この時の気持ちを曲にしたくなり、ドドドっとインスピレーションが沸いて無我夢中でパソコンに向かいトラックを作り始めた記憶。
9. With or Without You
(Words & Melody by SONOMI/Track by 熊井吾郎)
この先もあなたと一緒に居られるように、あなたと見たことの無い美しい風景を一緒に見られるように、今よりも強い自分に成長できるように。
「経験は時に足を引っぱる」
長く続けていると誰しもがぶつかる問題だと思うけれど、どんな時でも味方で居てくれる人がいてくれるおかげで強い自分にもなれた。
でも居なくても強い自分でありたい。
20年を振り返りながら次なる目標も込めてアルバムの最後に収録しました。
熊井吾郎の飛び抜けたドラムセンス、スタイリッシュさ、”泣き”の感覚や全体のタイトさといい彼の真骨頂を発揮しているトラックに一聴き惚れをしたのを思い出しました。
もう本当に!!私の音楽人生に関わってくれて今もこうして読んでくれているみんな、ありがとう!!!!!
▼Streaming & DL
4th Album 『Afterglow』
All Recording, Mixing & Mastering by HIRORON (ATENE STUDIO)
Art Direction & Design : Yohei Torii (Bishop Arcade)
Photography : Shota Miyoshi (Bishop Arcade)
Camera Commissioner : Ryo Takahash i(Bishop Arcade)
Styling : Meiko Kojima
Hair & Makeup : Ai Yuki
Distribute & Support : Koichi Sato (Trigger Records)
A&R : Ryoichi Awakura (TAP Co., Ltd.)
Assistant : u & Kaori
▼CD盤(デジパック、歌詞カード入り)はこちらから